出産とご褒美
出産とご褒美
私は病院勤務の助産師です。同じ病棟で8年目・・・
この日、蕎麦湯は深夜勤務でした。 友達の予定日が近づいてたし、そわそわした気分でした。 そこに電話が 「なんか陣痛みたい、どうしよう」 彼女だ。 過去2回の分娩経過はスピード安産であることを知っているので すぐに入院指示。
入院時は子宮口閉鎖、 前駆陣痛 (・o・)朝までに産まれるかな? 正直なところ微妙だった。
夜明けが近づく、彼女の陣痛は始まった。
陣痛室で(~o~)必死に痛みをこらえてる、かよちゃん。 夫はそばでその変化を見守ってる。 陣痛 には波がある。発作時はとにかくつかむ、シーツとか腕とか背中とか。 腕をつかまれると爪をたてて私はあざだらけ...
命を産みだすパワーは大きな力
他の業務をしていると、夫が走って私を呼びにきた。 「なんか急に黙り込んだで」 そろそろだ。 出産のときが近づくと話す余裕がぴたりとなくなるもの。
子宮口6-7センチ、児頭も下がってきている。
分娩室へ移動して 1時間・・・ 私の手の中でその命は、最高の産声をあげた。 言葉はいらなかった、お互いのおでこをよせてうなずく。 本当におめでとう。
わすれられない大切な言葉がある。 この子も蕎麦湯に取り上げてもらってよかった。 そういってくれてありがとう。
この瞬間がたまらなく好きだ。 責任重大だし、怖い思いをすることもあるけど 凛とした緊張感がいい。 今度もわたしでよかった。 そう言って頂くことが 私のスペシャルなご褒美なのだ。
|